製造産業技術協同組合

出身国別ガイド

多民族・多言語が暮らす山岳国

ネパール

中国とインドの間に位置し、ヒマラヤ山脈から南部の平原まで、標高と気候の差が大きい内陸国です。

142のカースト・エスニックグループと124の言語グループがあり、出身地域、母語、宗教、生活習慣は一人ひとり異なります。

日本では留学生として来日し、資格外活動で働く方が多い状態が続いてきました。技能実習・特定技能としての受け入れは、ベトナムやインドネシアに比べるとまだ少ないものの、近年は特定技能を中心に広がりつつあります。

ネパールの基本情報

世界最高峰エベレストを含むヒマラヤ地域だけでなく、中部の丘陵地帯や南部のタライ平原があり、暮らしや産業、気候は地域によって異なります。

公用語はネパール語ですが、国勢調査では124の言語グループが確認されています。日本語や英語の習熟度も一人ずつ確認することが大切です。

人口
約2,965万人(2024年)
142のカースト・エスニックグループが暮らす多民族国家です。
出典:外務省「ネパール基礎データ」
面積
約14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)
首都
カトマンズ
言語
公用語はネパール語。このほか、124の言語グループがあります。 出典:ネパール国家統計局「Language in Nepal」
宗教
ヒンドゥー教81.2%、仏教8.2%、イスラム教5.1%ほか(2021年国勢調査) 出典:ネパール国家統計局「Religion in Nepal」
日本との時差
日本より3時間15分遅い
日本からの飛行機
成田―カトマンズに直行便あり。所要約7~8時間 出典:ネパール航空「International Schedule」
平均年齢(参考)
約26歳(年齢中央値・2024年推計) 出典:国連人口部 World Population Prospects 2024
平均月収(参考)
月額約1万7,809ネパールルピー(雇用者平均・2017/18年)
日本円で約1万9,000円
※1ネパールルピー=約1.06円で換算(2026年7月24日時点)
出典:ネパール国家統計局「Nepal Labour Force Survey 2017/18」 換算:ネパール中央銀行「Foreign Exchange Rate」
食事の特長
米、豆のスープ、野菜料理などを組み合わせた「ダル・バート」が一般的です。
宗教や家庭によって、牛肉・豚肉・酒類・肉類全般など口にしないものが異なるため、本人への確認が必要です。

ネパールは多民族・多文化の国です。年長者を敬い、周囲と助け合う姿勢を大切にする方が多い印象です。

自己主張を強く出すより、周囲と協力しながら進める方も多く、日本の職場になじみやすいと感じます。

一方で、時間の捉え方は日本と異なることがあります。始業時刻だけでなく、準備を始める時間や、遅れる場合の連絡方法まで具体的に共有します。

技能実習より特定技能を希望する方も多く、実務経験を持つ人材と出会える可能性があります。

ネパール人材が多く就労している分野

特定技能では介護分野が最多

2025年6月末時点で、特定技能1号として働くネパール人は約9,300人です。そのうち介護分野は約4,700人で、全体の約半数を占めています。

外食業も主要な就労分野

外食業では約2,900人が働いています。介護分野と外食業を合わせると、ネパール人の特定技能1号全体の約8割を占めています。

※人数は特定技能1号の在留者数です。

ネパール人材を知るための背景

ネパールは地域・民族・言語・宗教による違いが大きい国です。

  • 地域によって生活環境が異なる

    北部の山岳地域、中部の丘陵地帯、南部の平原では、気候、産業、食文化が異なります。

    出身地域と来日前の生活環境を確認すると、日本で必要な支援を考えやすくなります。

  • 多くの民族と言語がある

    公用語はネパール語ですが、国勢調査では124の言語グループが確認されています。

    家庭で使う言語と、学校や仕事で使ってきた言語が異なる場合もあります。

宗教・食事・生活習慣で配慮したいこと

宗教

ヒンドゥー教徒が多数を占めますが、仏教、イスラム教、キリスト教などを信仰する人もいます。

ダサインやティハールという祭りで、家族が集まる習慣があり、休みや帰省を希望する人もいます。

繁忙期や休暇ルールを説明し、希望がある場合は早めに相談できるようにします。

食事

ヒンドゥー教徒には牛肉、イスラム教徒には豚肉やアルコールを口にしない人がいます。菜食の範囲も人によって異なります。

原材料や調理器具の共用を気にするかも含め、本人が安心して選べる方法を確認します。

祭り・帰省

ダサインやティハールという祭りで、家族が集まる習慣があります。
ダサインは9〜10月ごろ、ティハールは10〜11月ごろに行われます。暦により日程は毎年変わります。

日本の繁忙期や休暇ルールを説明し、希望がある場合は早めに相談できるようにします。

コミュニケーションのポイント

  • 本人が理解しやすい言語を確認する ネパール語が公用語でも、家庭で使う母語が別の言語である場合があります。
    日本語の会話・読み書きの力も一人ずつ確認し、必要に応じて写真や実演を使います。
  • 時間・優先順位・完成形を具体的に伝える 開始時刻だけでなく、準備を始める時刻、作業の順番、どの状態になれば完了かを示します。
    遅れる場合や迷った場合の連絡方法も、例を使って共有します。
  • 返事だけで理解を判断しない 「はい」「分かりました」という返事だけでなく、本人の言葉で説明してもらいます。
    作業を実演してもらい、安全手順や品質基準を理解できたか一緒に確認します。
  • 仕事と生活の困りごとを定期的に聞く 家族との連絡、送金、住居、体調など、仕事以外の事情が勤務に影響することもあります。
    相談担当者を決め、問題が大きくなる前に話せる機会をつくります。

よくある質問

技能実習・特定技能・育成就労で来日するネパール人は多いですか?

2025年末の在留ネパール人は30万992人で、国籍・地域別では5番目に多い人数です。

ただし、留学が11万6,151人、家族滞在が7万2,978人を占め、技能実習は4,477人、特定技能は1万2,387人です。日本に暮らす人数の多さと、就労制度ごとの人数は分けて考える必要があります。

育成就労は2027年4月の制度開始が予定されています。開始後の受け入れは、対象分野や送り出し手続きの最新情報を確認して検討します。

ネパール人材が特定技能で多く就労している分野は何ですか?

2025年6月末の特定技能1号では、介護が4,713人、外食業が2,873人、農業が707人、航空が301人で、この4分野が全体の多くを占めています。

分野ごとに必要な試験、経験、業務内容が異なるため、希望する職種と本人の実務経験を確認して選考します。

ダサインやティハールの時期は長期休暇が必要ですか?

全員が長期休暇を希望するわけではありません。家族が集まる大切な祭りですが、宗教や家庭、帰国予定によって希望は異なります。

毎年日程が変わるため、早めに帰省や休暇の希望を確認し、繁忙期と調整します。

ネパール人は全員、牛肉を食べませんか?

全員ではありません。ヒンドゥー教徒には牛肉を口にしない人が多い一方、宗教や家庭によって制限は異なります。

豚肉、酒類、肉類全般、調理器具の共用なども含め、本人へ確認します。

ネパール人材へ時間のルールはどのように伝えればよいですか?

始業時刻だけでなく、着替えや朝礼、準備を始める時刻、遅れる場合の連絡先と連絡方法まで具体的に伝えます。

日本の時間感覚を当然の前提にせず、見本となる一日の流れを示して一緒に確認します。