製造産業技術協同組合

出身国別ガイド

多言語・多宗教が共存する国

インド

南アジアに位置し、14億人を超える人口と広大な国土を持つ連邦共和制の国です。地域によって言語、宗教、食文化、生活習慣が大きく異なります。

「インド人」とひとまとめにせず、出身地域や母語、宗教、本人の経験を確認することが、受け入れ準備の第一歩です。

日本では専門・技術分野の人材受け入れが先行し、技能実習・特定技能で働く人は、ベトナムやインドネシアなどに比べてまだ少ない状況です。2021年に特定技能の協力覚書が結ばれ、受け入れの枠組みが整えられています。

インドの基本情報

ヒマラヤ山脈から熱帯の沿岸部まで自然環境が幅広く、州や地域によって暮らしや産業も異なります。

連邦公用語のヒンディー語だけでなく、多くの言語が日常的に使われています。英語を使う人もいますが、習熟度や使用場面には個人差があります。

人口
約14億5,094万人(2024年)
世界最大の人口を持ち、地域ごとに人口構成や生活環境が大きく異なります。
出典:外務省「インド基礎データ」
面積
約328万7,469平方キロメートル(日本の約8.7倍)
首都
ニューデリー
言語
連邦公用語はヒンディー語。英語も公的・ビジネスの場で使われます。
このほか、憲法で公認される州の言語が21あります。
宗教
ヒンドゥー教82.8%、イスラム教12.6%、キリスト教2.3%、シク教1.4%ほか(2021–22年推計) 出典:インド政府「Periodic Labour Force Survey 2021–22」
日本との時差
日本より3時間30分遅い
日本からの飛行機
東京―デリーに直行便あり。所要約9~10時間 出典:日本航空「東京(成田)-デリー線」
平均年齢(参考)
約28歳(年齢中央値・2024年推計) 出典:国連人口部 World Population Prospects 2024
平均月収(参考)
月額約2万2,699ルピー(給与所得者平均・2025年)
日本円で約3万9,000円
※1ルピー=1.72円で換算(2025年2月28日時点)
出典:インド統計・計画実施省「Periodic Labour Force Survey 2025」
食事の特長
米や小麦、豆、野菜、香辛料を使う料理が多く、地域ごとに食文化が異なります。
宗教や家庭の習慣によって、牛肉・豚肉・卵・乳製品などを口にするかが異なるため、本人への確認が必要です。

インドは国土が広く、北部・南部・北東部など、出身地域によって言語や文化、生活習慣が大きく異なります。

mitでは南部や北東部出身の方を多く受け入れてきました。南部出身の方には素直に学び、理解が早い方が多い印象です。北東部出身の方には、外見が日本人に近く感じられる方もいます。

家族や年長者の意向を大切にする方も多く、来日や仕事、将来の希望には家族の考えが関わる場合があります。

親日的な方も多く、mitでは今後さらに受け入れが増えていく国の一つだと感じています。

インド人材を知るための背景

インドは地域・言語・宗教による違いが非常に大きい国です。

  • 地域による違いが大きい

    北部と南部、都市部と農村部などで、母語や食事、気候、生活習慣が異なります。

    インド人としてひとくくりに考えず、出身エリアやこれまでの生活環境を把握して、生活に必要な支援を検討します。

  • 家族とのつながりを大切にする

    家族の意向や将来の生活を考えて、来日や仕事を選ぶ人もいます。

  • 宗教や習慣も人それぞれ

    同じ宗教でも、食事、礼拝、服装、休日の過ごし方には個人差があります。

    国籍や宗教名だけで決めつけず、本人が大切にしたいことを確認します。

宗教・食事・生活習慣で配慮したいこと

宗教

ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、シク教など、信仰する宗教はさまざまです。

礼拝、宗教行事、休日への配慮が必要かを本人に確認し、勤務との両立方法を相談します。

食事

ヒンドゥー教徒には牛肉、イスラム教徒には豚肉やアルコールを口にしない人がいます。

不殺生の考え方からベジタリアンの方も多いですが、信仰の度合いなどによって個人差があります。

服装・装身具

宗教や文化に関わる服装、頭を覆う布、装身具などを身に着ける人もいます。

女性の服装は地域や宗教、本人によって異なりますが、身体のラインや肌の露出を控えたい人もいるため、配慮が必要です。

宗教行事・帰省

ヒンドゥー教のディワリ(光の祭り)や、イスラム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)などの祝祭があります。

本人が大切にする祝祭を事前に把握し、シフトや有給休暇を調整することは、安心して働ける環境づくりとなり、定着にもつながります。

コミュニケーションのポイント

  • 母語と日本語の理解度を確認する インドでは多くの言語が使われています。英語を使える場合でも、業務用語まで理解できるとは限りません。
    本人が理解しやすい言語と説明方法を、配属前に確認します。
  • 目的・期限・完成形を具体的に伝える 「早めに」「きれいに」などの曖昧な表現だけでなく、いつまでに、どの状態まで行うかを示します。
    写真や見本を使い、作業の目的も一緒に説明します。
  • 返事だけで判断しない 「はい」「分かりました」という返事だけで、理解できたと判断しないようにします。
    本人の言葉で説明してもらう、実際に作業してもらうなどして確認します。
  • 出身地や宗教で決めつけない 同じインド出身でも、言語、食事、宗教上の配慮、仕事の経験は異なります。
    分からないことは推測せず、本人へ率直に確認できる関係をつくります。

よくある質問

技能実習・特定技能・育成就労で来日するインド人は多いですか?

2025年末の在留インド人は5万8,999人です。技術・人文知識・国際業務が1万4,567人である一方、技能実習は1,358人、特定技能は758人です。

技能実習・特定技能に限ると、ベトナムやインドネシアなどと比べ、現時点の受け入れ人数は多くありません。

育成就労は2027年4月の制度開始が予定されています。今後の受け入れは、対象分野や送り出し手続きの最新情報を確認して検討します。

インド人材を特定技能で受け入れられる分野はありますか?

インドでは、介護、工業製品製造、建設、宿泊、自動車運送、農業、外食などの特定技能試験が実施されています。

ただし、試験の実施状況と、実際に紹介できる人材の経験は別です。希望する分野、職種、実務経験を確認して選考します。

インド人の公用語は英語ですか?すべてのインド人は英語が話せますか?

インド連邦の公用語はヒンディー語で、英語も行政などの公的な場で広く使われています。

ただし、すべてのインド人が英語やヒンディー語を話せるわけではありません。州や家庭によって使う言語が異なるため、本人の母語、読み書きができる言語、日本語の理解度を一人ずつ確認します。

インド人は全員、牛肉を食べない・菜食ですか?

全員ではありません。宗教、地域、家庭、本人の考えによって、口にしない食材や菜食の範囲が異なります。

牛肉、豚肉、卵、乳製品、アルコールなどを一項目ずつ本人に確認します。

宗教行事の休みはどう考えればよいですか?

大切にする行事や休暇の希望は、本人の宗教や地域によって異なります。

年間の繁忙期と休暇ルールを説明したうえで、希望日を早めに確認し、職場内で調整します。